語学スキルアップ

英語を正しく話せるようになるためにできること

あるときオンライン英語講師をしていたとき生徒さんから「私の英語はブロークンなので、正しく話せるようになりたい」と言われたことがあります。正直1回のレッスン受講だけで正しい英語を使うための英語を矯正するのは厳しいです。しかし目的意識を持ってレッスンを受講し続けることや、日々の心がけで正しい英語を使えるよう変えていくことは可能だと思います。IELTS の Speaking 7.5の筆者がどうすれば「英語を正しく」話せるようになるか試行錯誤していることを記録します。

英語は伝わりさえすれば良いのか。

そもそも私は英語を学び始めた頃、「完璧な英語を話せる必要はない。英語は手段で大事なのは気持ち。相手に言いたいことや気持ちが伝わればそれで良い。」と思っていました。

今振り返ってみると、それはある意味正解である意味間違っていたと思います。始めから「完璧な英語を話さなくては!」と思って英語を話すのは苦しいです。ある程度英語での会話に自信がついてきた今でも、「完璧に」いつも話さなければならないと思うとプレッシャーを感じてしまいます。

しかし最近「伝われば良い」だけではダメだと思う場面が増えてきました。例えば英語を人に教えるときには、先生が話す言葉を学習者は覚えるので教師は英語を正しく話すことが大切です。またIELTSのようなテストのスピーキングでは英語を文法的に正しく話せているかで点数が変わってしまいます。また、実際に外国人の友達と話すときにも細かい部分をノリで話して間違えてしまうと、不必要な誤解を生んでしまうことがあります。たまにミスするくらいならネイティブの英語でも見かけることなので気にならないと思いますが、いつもいつもミスばかりしていると「この人良い教育を受けてないのかな」と受け取られてしまうこともあり、損です。

まずは初心者は「正しいか正しくないか」ということよりもとにかく知っている知識を総動員して「英語で話すこと」に慣れることが先決です。しかし英語をある程度自由に話せるようになったと感じたら、「完璧な英語を」と意識する必要はありませんが「正しい英語を」使うことを心がけることは必要ではないでしょうか。少なくともそれを意識することが英語ネイティブではない学習者の私たちにとって有益ではないか、と考えるようになりました。

では実際に英語を正しく話すためにはどのようなことをすれば良いのでしょうか。

できること1 相手に間違えを指摘してほしいことを伝えておく

まず英会話レッスンを受講するときに、一番初めに「自分がミスしたところはその場でどんどん指摘してほしい」と伝えてみましょう。講師をしている側の気持ちとして、「自信を持って英語を話せるようになること」の方が「正しく英語を話すこと」よりも重要だと私は考えています。なのでたとえミスに気付いたとしても大きなミスでなければ話を遮ってまで指摘しないことがあります。(メモをとっておき最後の復習の時間にお伝えすることはあります。)レッスンの始めに冒頭のように「正しく話したいからミスを見つけたらどんどん言ってほしい」と伝えてもらえると、受講者のニーズが掴みやすくありがたいものです。

これは英会話レッスンに限りません。英語で話すとき全てにおいて言えることです。例えば、英語圏の友達と話していても、なかなかミスを指摘してくれる人は多くないです。これは意地悪でもなんでもありません。日本語勉強中の外国人と話すときと逆の立場だと考えるとわかりやすいです。まだ相手と親しくなかったら「ミスを指摘すると失礼かな」と遠慮し、また親しくなったらなったでだんだん相手の話し方に慣れてしまいミスがそこまで気にならなくなるものです。

「自分は英語を勉強中でレベルアップするために正しい言葉を使いたいから、ミスを見つけたら教えてほしい」とはっきり伝えることによって、相手も気付いたときに教えてくれるようになります。大切なのは教えてくれたときに言い訳せずに素直に「教えてくれてありがとう」と聞くことです(笑)そうやって周りの人に指摘してもらうことで、「三単現のsを忘れる」「冠詞をつけ忘れる」といった自分のミスしやすい傾向が掴めてきます。

できること2 自己修正力を磨く

「できること1」で紹介したようにして英語講師や周囲の人の力を借りて自分のミスしやすい傾向を知ったら、あとはそれを意識しながら英語を使うことです。これが意外とできていないことが多いです。ミスしやすい傾向というのは、言わば自分の話し方の癖です。指摘されて一度意識したくらいでそう簡単に直すことはできません。それでもここで頑張って直していかに「自己修正力」を高めていくかがこれから自分の英語力を伸ばしていく伸び代となります。

まずは英会話レッスンなら1レッスンで1つ直したい癖を意識して英語を話すことです。「前回は三単現のsを意識したから、今回は冠詞忘れないように意識しよう!」といったようにです。そして日常生活で毎週1つずつテーマを持って意識して直していくことです。そうやって意識することを習慣付けていくと、言い間違えたときに自分で気付いて直す「自己修正」ができるようになります。それができるようにさえなればもう心配はありません。なぜなら人間、気付けていることは直せるからです。

これらのことが既にできている人は気にしなくて大丈夫です。英会話レッスンを受けっぱなし、人に指摘されっぱなしになっている人は要注意です。せっかくわかった「自分のミスの傾向」を「自己修正」する習慣を今日から付けていきましょう。

できること3 ライティング力を伸ばす

ライティング力を鍛えているとスピーキング力も伸びていた、というのはよく聞く話です。話題が進んでいくのでその場その場で発信しなければならないスピーキングとは異なり、ライティングならじっくり時間をとって自分のペースで英文を考えることができます。その分落ち着いて自分のミスにも気付くことができます。スピーキングでミスする自分の癖は、ライティングでも表れることが多いです。つまりライティングを直すことでスピーキングのミスも減らすことができるのです。

ではライティング力を上げるにはどうするか。手軽にできて続けやすいのが、ありきたりですが英語でその日の出来事を日記として記録することです。人間、日常生活で使う言葉や言い回しは大体決まっているものです。普段芸能ニュースに興味のない人が、英語では急に芸能ニュースについて話し始めたらびっくりしますよね。言いたいことを伝えるために表現を自分で調べたり、文法書で調べるたりするインプットがなければライティングもスピーキングも上手になりません。

そして肝心な、どうやってライティングのミスを減らすかですが・・・私がおすすめするのは、一度書いた日記をパソコンで打ち直してみることです。そうするとパソコンは賢いのでわかりやすい文法ミスやスペルミスは自動で赤線を付けてくれます。そして「この表現あっているか自信がない・・・」というところはGoogleなどの検索エンジンにコピーペーストして調べてみましょう。そうすると近いフレーズを予測し提案してくれます。この2つの方法で自分で大分ライティング力を伸ばすことができます。

さらに余力があったら、たまにはそれでも難しいところを英語講師とのレッスンでや外国人の友達に聞くようにすると、自分では直すのが難しいところだけ教えてもらえるので効率が良いです。

おわりに

教師になって特に「英語学習に終わりはない」と実感するようになりました。ネイティブとして子供の頃から英語が当たり前の環境で育ってきた訳ではない私たちにとって、英語をペラペラに使いこなせるようになるまでの道のりは険しいです。

しかしネイティブ並とまで言わなくても、「伝えたい内容を聞く人にわかりやすい英語で伝えることができる」ところまでは正しく努力すれば誰でもできるようになると思っています。

努力したことは全て自分に返ってきます。Let’s give it our best shot♪

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